令和5年度 新小文字病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0名 33名 96名 102名 206名 415名 754名 1459名 1455名 672名
令和5年度の退院患者は、5192名でした。(24時間以内の死亡、交通事故、労災の患者さんは含まれていません。)
当院では、幅広い年齢層の患者さんの治療を行っていますが、70歳代、80歳代が多く、全体のおよそ56%を占めています。
60歳以上の患者さんの割合は、全体の84%を超えており、地域の高齢化を反映しています。
当院は、24時間365日救急医療に重点をおき、地域の皆様の期待に応えひとりひとりの患者さんにとって最善の治療が行えるように努力しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2なし 94名 16.93日 20.60日 29.79% 87.30歳
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 67名 14.12日 13.52日 10.45% 85.91歳
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1-1あり 手術処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 54名 2.50日 3.05日 0.00% 70.04歳
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置等1-なし、1,2あり 手術処置等2なし 39名 4.69日 4.26日 0.00% 71.38歳
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術処置等2なし 38名 4.32日 4.57日 0.00% 74.21歳
内科では、対応できる治療は全て取り組むことを理念に掲げ、救急搬入される緊急疾患も増えてきています。上位5疾病の平均年齢は、70歳以上となっています。高齢の患者さんが多いため、合併症により入院期間が長期になる場合もありますが、地域の医療機関や施設との連携により、なるべく早く、住み慣れた自宅や施設での生活に戻ることが出来るよう治療に努めています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 109名 2.35日 2.61日 0.00% 66.37歳
060090xx02xxxx 胃の良性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 その他のポリープ・粘膜切除術等 23名 3.91日 6.14日 0.00% 62.78歳
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22名 5.18日 8.75日 4.55% 77.82歳
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 12名 7.58日 9.32日 0.00% 78.92歳
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 7.63日 - -
消化器内科では、胃・十二指腸潰瘍による出血、大腸憩室による出血に対して内視鏡的止血術を行っています。吐血、下血、消化管異物や閉塞性黄疸(総胆管結石性胆管炎など)に対して、緊急的な内視鏡検査や治療が行える体制を整えています。また、外科とのコラボレーションで患者さんの病態に応じた治療を行うように努めています。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 24名 6.63日 6.87日 0.00% 65.13歳
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 23名 5.22日 4.55日 0.00% 72.87歳
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19名 6.32日 8.95日 5.26% 72.26歳
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18名 11.22日 8.75日 5.56% 79.17歳
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 17名 6.24日 5.98日 0.00% 68.71歳
外科では、胆嚢炎(手術目的の入院)が最も多く、次いで鼠径ヘルニア、腸閉塞、胆管・胆嚢結石が多く、診療ガイドラインに沿った早期手術対応をしています。腹腔鏡を用いた低侵襲手術を基本とし、入院期間はおよそ6日間となっています。各種がん治療も診療ガイドラインに沿った標準治療を基本とし、抗がん剤治療も行っています。当院では、腹部救急疾患に対して夜間でも緊急手術が可能な体制をとっています。365日24時間体制で対応していますので、腹痛、吐血や下血の症状があればいつでも来院してください。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 195名 22.25日 25.50日 71.28% 84.27歳
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 65名 28.58日 21.96日 33.85% 74.25歳
160760xx97xx1x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 あり 44名 12.39日 7.54日 15.91% 75.14歳
070050xx97xxxx 肩関節炎、肩の障害(その他) 手術あり 41名 26.37日 20.54日 14.63% 70.10歳
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 34名 30.47日 19.55日 14.71% 66.12歳
転倒により、股関節、大腿骨を骨折する高齢の患者さんが多く、加齢に伴う骨粗鬆症が影響しているものと思われます。骨粗鬆症による骨折は再度骨折する危険性が高いと言われています。そのため、当院では再骨折の予防のために骨粗鬆症治療も行っています。平均年齢は、84歳と高齢ですが、地域の医療機関や施設との連携により、入院期間は22日間と全国の平均在院日数より短いです。膝や肩の関節の痛み、リウマチなどの慢性疾患、交通事故、スポーツなどによる外傷の診断と治療を行っています。慢性疾患である変形性膝関節症や変形性股関節症に対しては、投薬やリハビリテーションに加え、近年進歩が著しい人工関節置換術を中心とした手術療法を行います。 また、スポーツ外傷に多い膝の前十字靭帯や半月板損傷に対しては、関節鏡を用いた低侵襲手術を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 16名 2.13日 2.82日 0.00% 79.56歳
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 12名 4.50日 5.14日 0.00% 60.33歳
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 11名 2.18日 5.77日 0.00% 60.27歳
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし - - 7.22日 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし - - 12.88日 - -
形成外科では、眼瞼下垂が最も多いです。その他に骨軟部腫瘍(骨や筋肉、脂肪にできる腫瘍)、皮膚の表面の「おでき」(脂肪腫、粉瘤など)の摘出、膿皮症の手術等を行っています。また、重度の熱傷や外傷により欠損・損傷した部位の再建手術、褥創を含めた難治性皮膚潰瘍など、多岐にわたる疾患のどれもが、より精緻で緻密な手技を要求されるものです。褥瘡難治性潰瘍を持つ高齢者で、在宅医療を希望される方々へのサポートなど、患者さんのQOL(生活の質)の一層の向上を目指し、福岡県の形成外科医療の一役を担う存在としての診療を心掛けています。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 44名 15.64日 15.70日 43.18% 68.14歳
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 41名 9.59日 9.88日 19.51% 76.44歳
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 33名 9.58日 8.38日 27.27% 73.82歳
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 30名 3.53日 4.73日 0.00% 70.97歳
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27名 17.33日 19.09日 55.56% 72.48歳
脳神経外科では、脳動脈瘤に対しての治療や、脳血管障害に対しての血行再建術(バイパス術、血管内膜剥離術)などの外科治療を主に行っています。また、脳腫瘍や頭部外傷、顔面けいれん、三叉神経痛、正常圧水頭症などの脳神経疾患の治療も行っています。脳神経外科専門医と脳血管内治療専門医、脳卒中専門医が常勤しており、大学病院レベルの医療設備がそろっているため、高いレベルの治療を提供することが可能です。カテーテルを使った脳血管内治療や急性期の直達手術(開頭手術)も可能で、実績を上げております。
また、平成30年7月より”脳卒中ホットライン”を開設しています。”脳卒中ホットライン”とは、脳卒中疑いの患者さんから要請を受けた救急隊が、脳神経外科担当医に直接携帯電話にて連絡をすることで適切に病状を把握し、初期治療を迅速に導入することができるシステムです。これを活用することにより一秒でも早く脳卒中治療を開始出来るように力をいれています。
脊髄脊椎外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070370xx01xxxx 脊椎骨粗鬆症 経皮的椎体形成術 67名 27.21日 19.52日 43.18% 68.14歳
070343xx97x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 1あり 66名 18.74日 20.52日 34.85% 72.61歳
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1 なし 62名 21.63日 19.32日 45.16% 70.00歳
070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症 手術なし 58名 17.33日 21.46日 84.48% 83.48歳
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2 1あり 54名 2.39日 2.59日 1.85% 71.44歳
当院では、脊髄脊椎疾患に特化した診療科として、脊髄脊椎外科を設けて診療を行っています。脊柱管狭窄症をはじめとし、椎間板ヘルニアや脊髄・脊椎損傷などの手術治療についても対応しています。頚椎・胸椎・腰椎のほぼ全ての手術において、手術用顕微鏡を使用した低侵襲手術を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 46名 11.22日 9.89日 4.35% 74.02歳
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 15名 8.40日 13.59日 40.00% 76.33歳
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり 14名 11.43日 13.90日 0.00% 77.43歳
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10名 6.40日 9.54日 0.00% 33.80歳
040150xx97x01x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり - - 42.94日 - -
当科では、肺の悪性腫瘍(肺がん)が最も多く、肺がんについて重点的に治療を行っています。肺がん手術の患者さんの平均年齢は74歳であり、入院期間は11日間となっています。肺がんの治療は、手術、全身化学療法(抗がん剤)、放射線療法の三本柱が基本でしたが、近年では分子生物学的手法や遺伝子解析の進歩などにより様々な分野の研究が進み、免疫療法など新しい治療が開発されており、当科でも最新の治療法を積極的に取り入れています。当院では、科学的根拠に基づいて、最も有用と思われる治療法を提案・実行していきます。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 18名 2.72日 2.44日 0.00% 69.72歳
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 15名 8.73日 6.85日 6.67% 75.60歳
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 10名 14.70日 13.52日 10.00% 76.60歳
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 - 12.63日 - - -
130100xxxxx40x 播種性血管内凝固症候群 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし - 20.13日 - - -
泌尿器科では、過活動膀胱や前立腺肥大症などによる排尿障害から、膀胱がん、腎がん、前立腺がんなどの疾患を各種ガイドラインを取り入れながら、更に一歩踏み込んだオーダーメイド医療を心がけて診療を行っています。また、血液透析センターでは、27のベットサイドコンソールを有し現在約80名の血液維持透析を行っています。急性腎不全に対する緊急透析、持続的血液濾過透析(CHDF)、エンドトキシン吸着療法、血漿交換療法など各種血液浄化治療も行っています。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 17名 - - 10名 - - 1 8
大腸癌 - 29名 22名 21名 - - 2
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 45名 - - 55名 - 11名 1 7,8
肝癌 - - - - - - 2
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
この表は、5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を表しています。
初発の方はUICC病期分類によってStage毎に患者数を分け、再発の方は患者数で集計しています。
なお、複数回入院した患者さんは入院回数で集計しています。
病期分類は、癌の深さ・リンパ節転移の有無・遠隔転移の有無により決まります。検査や治療でこの3つの情報が得られない場合は「不明」となります。
当院では、肺癌が最も多く、次いで大腸癌となります。 治療方法に関しては、内視鏡手術、胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、開胸・開腹手術だけではなく、抗がん剤治療も行っています。
また、放射線治療が必要な患者さんは、放射線治療が可能な医療機関へご紹介しています。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12名 6.17日 50.58歳
中等症 56名 11.63日 81.46歳
重症 13名 17.92日 83.08歳
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎:普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
肺炎の重症度:年齢、脱水所見、血中酸素濃度、意識障害、血圧低下の5つの因子から評価され、該当数により軽症から超重症の4段階に分かれています。
・軽症  :0点の場合
・中等症:1~2点の場合
・重症  :3点の場合
・超重症:4~5点の場合 ただし意識障害(ショック)であれば1点でも超重症
・不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合
中等症の患者さんが最も多く、全体の64%を占めています。評価項目のうち、年齢で男性70歳以上・女性75歳以上に該当すると1点と評価されることから、
中等症に該当する患者さんが多い背景には、高齢の患者さんが多いことが反映されていると考えられます。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 174名 19.01日 77.24歳 42.55%
その他 14名 13.71日 77.50歳 1.60%
脳梗塞の92%が発症から3日以内に治療を開始しています。
平均年齢は77歳で、入院期間は19日間となっています。
早期のリハビリ介入や、地域の医療機関・施設との連携により、入院期間が短くなるよう努めています。
また、発症後4時間30分以内に行うtPA療法(脳血栓溶解療法)や経皮的脳血栓回収術などのカテーテルを使った手術も行っています。いち早く最善の医療を行い、患者さんが社会復帰できるよう全力を尽くしています。
rt-PA静注療法や脳血管内手術により、早期に閉塞血管の再開通を得ることで、一般的な内科治療単独に優る転帰を目指すことができます。当院はCTやMRI、脳血管撮影/脳血管内治療、外科手術を24時間365日いつでも実施できる体制を整えています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 36名 1.50日 2.28日 0.00% 77.50歳
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 36名 7.44日 13.06日 69.44% 80.56歳
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 32名 0.72日 3.78日 3.12% 72.94歳
K654 内視鏡的消化管止血術 18名 3.78日 12.72日 16.67% 78.17歳
K386 気管切開術 14名 14.5日 32.36日 57.14% 81.43歳
内科では、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)に対して、カテーテルによる経皮的冠動脈ステント留置術を多く行っています。また、心臓カテーテル検査は168件行っており、経皮的冠動脈ステント留置術と形成術は計79件行っています。急性心筋梗塞などの緊急を要する疾患に対しても迅速に診断・治療を行うことが出来ます。胃瘻造設術の多くは、地域の医療機関や施設からの紹介患者さんに行っています。また、吐血や下血といった消化管の出血に対する内視鏡的消化管止血術を緊急時に実施できる体制を整えています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 104名 0.1日 1.39日 0.96% 65.76歳
K6535 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(その他) 23名 0.00日 2.91日 0.00% 62.78歳
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 16名 1.13日 5.75日 0.00% 79.31歳
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 15名 1.00日 5.00日 0.00% 78.53歳
K654 内視鏡的消化管止血術 14名 0.43日 10.07日 28.57% 78.00歳
消化器内科では、腺腫などの胃、大腸ポリープに対して、内視鏡的ポリープ・切除術を多く行っています。また、胃・十二指腸直腸潰瘍や大腸憩室による出血に対して、内視鏡的止血術を行っており、 ERCPも含めて緊急的な内視鏡治療に対応できる体制を整えています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 51名 0.92日 8.92日 3.92% 68.98歳
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 23名 2.48日 12.91日 17.39% 78.04歳
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 22名 1.14日 3.41日 0.00% 71.09歳
K654 内視鏡的消化管止血術 15名 1.93日 7.93日 6.67% 71.20歳
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 14名 5.86日 11.5日 21.43% 75.07歳
外科では、腹腔鏡下胆のう摘出術、内視鏡的乳頭切開術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)、内視鏡的消化管止血術、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、の順に多く行っています。 虫垂炎や大腸癌も、ほとんど全てを腹腔鏡手術を行っています。それ以外でも、ほとんど全ての疾患で腹腔鏡手術を行っており、開腹手術に比べ低侵襲のため、入院期間が短くなっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 130名 2.21日 18.74日 67.69% 84.78歳
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 101名 2.41日 26.02日 25.74% 71.61歳
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 98名 1.90日 19.62日 74.49% 82.27歳
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 67名 4.04日 12.66日 29.85% 69.69歳
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 49名 2.08日 23.78日 12.24% 70.67歳
整形外科では、四肢の骨折に対して骨折観血的手術を多く行っており、なかでも大腿骨の骨折に対して最も多く行っています。また、変形性肩関節症に対して、人工関節置換術を行っています。 これは、加齢や外傷により変形した肩関節の損傷面を取り除き、人工関節に置き換える手術です。
大腿骨近位部骨折は入院して48時間以内の手術に取り組んでおり、入院して手術を受けるまでの平均待機日数は1.0日です。
人工関節手術では、2023年2月よりロボティックアーム手術支援システム「MAKO(メイコー)」を導入し、人工股関節、人工膝関節の手術を行っております。
また、関節鏡による膝や肩の手術を行っております。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 15名 0.00日 1.13日 0.00% 78.93歳
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 14名 0.79日 2.86日 0.00% 59.21歳
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0101 瘢痕拘縮形成手術(顔面) - - - - -
形成外科では、眼瞼下垂症に対して手術を多く行っています。次いで、四肢・躯幹軟部腫瘍(体の表面にできる腫瘍)の摘出術を多く行っています。また、鼻骨骨折など顔面の骨折に対して、観血的手術を行っています。糖尿病性潰瘍により生じた四肢の壊疽に対する四肢切断術や、褥瘡に対する皮膚切開術・全層植皮術、重度の熱傷に対する皮弁形成術(皮膚移植術)など、多岐にわたる手術を行っています。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28名 0.29日 12.93日 25.00% 78.32歳
K178-4 経皮的脳血栓回収術 27名 0.00日 19.67日 55.56% 84.56歳
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの 12名 0.08日 27.25日 75.00% 69.67歳
K1781 脳血管内手術 1箇所 12名 0.50日 23.33日 25.00% 65.25歳
K6101 動脈形成術、吻合術 頭蓋内動脈 12名 7.58日 20.75日 33.33% 69.67歳
脳神経外科では、脳動脈瘤に対しての治療や、血行再建術(バイパス術、内膜剥離術)などの脳血管障害に対しての外科治療を主に行っています。また、脳腫瘍や頭部外傷、顔面けいれん、三叉神経痛、正常圧水頭症などの脳神経疾患の治療も行っています。当院では、直達手術(開頭手術)と脳血管内治療のどちらも可能で、患者さん毎に適切な治療を提供するよう努めています。
脊髄脊椎外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 127名 3.36日 16.41日 37.80% 72.36歳
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 74名 2.92日 18.22日 39.19% 69.53歳
K142-4 経皮的椎体形成術 68名 5.81日 20.43日 77.94% 82.46歳
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 57名 3.98日 19.32日 45.61% 71.63歳
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 54名 3.24日 11.48日 22.22% 56.44歳
脊髄脊椎外科では、腰部脊柱管狭窄症に対して後方椎体固定術や椎弓形成術を多く行っています。
脊髄脊椎外科の手術に関しては、「脊髄脊椎外科治療センター」のホームページに詳細を掲載しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 20名 1.65日 7.50日 0.00% 78.45歳
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 15名 1.53日 11.07日 13.33% 69.93歳
K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術 13名 4.23日 18.85日 15.38% 76.00歳
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 10名 2.80日 2.60日 0.00% 33.80歳
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 10名 0.50日 11.90日 0.00% 77.70歳
当科では、肺がんに対して胸腔鏡下肺切除術を重点的に行っておりますが、その他の手術もほとんどを胸腔鏡を用いて行っております。また、当科では進行・再発肺がん患者さんに対する薬物療法も積極的に行っており、点滴による薬物治療をある程度長期間行う方には植込型カテーテルを留置して、そこから治療を行うようにしています。
肺がんは、日本におけるがん死亡の1位を占めています。患者さんの年齢や既往歴、がんの特徴などに基づいて、最も有用と思われる治療法を選択しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 26名 2.27日 5.46日 7.69% 75.96歳
K783-2 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 15名 0.07日 13.07日 13.33% 81.60歳
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) 8名 1.00日 10.63日 0.00% 74.63歳
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
K772 腎摘出術 - - - - -
泌尿器科では、膀胱がんに対する経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術、透析患者さんへの内シャント造設術が主な手術です。腎がん、腎尿管がん、前立腺がんに対する全身麻酔下の大手術も行っています。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 42名 0.81%
180010 敗血症 同一 18名 0.35%
異なる 41名 0.79%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 30名 0.58%
異なる - -
この指標は、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症が、入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)と同一か異なるかを区別して、対象患者数と発生率を示したものです。
基礎疾患のある方や、感染に対する防御能が低下している方はこれらの発症リスクが高いため、適切な観察・検査を行い、予防に努めています。また、発症した場合には重症化しないよう努めています。
手術・処置等の合併症の内訳は、「透析シャント狭窄、人工関節のゆるみ、術後創部感染、生検後出血、中心静脈カテーテル感染症」となっており、それらは術後の経過観察中に発見されるものがほとんどです。
・患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表記しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1085名 1041名 95.94%
肺血栓塞栓症とは、肺動脈に血液の塊である血栓が詰まる重篤な病気です。
多くの場合、下肢の深部静脈にできた血栓が、血液の流れで肺まで運ばれ、肺動脈の詰まりを起こします。下肢の血栓は、下肢の静脈の血液の流れが悪くなることで発生します。そのため、長時間、同じ姿勢を取り続ける手術においては発生のリスクが高いとされています。この血栓の発生を予防するための適切な対策として、弾性ストッキングの着用やフットポンプの使用、血栓ができないよう予防する薬剤の投与などを行います。
当院で肺血栓塞栓症リスクレベル「中」以上の手術を施行した患者さんへの予防対策実施率は、95.94%となっています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
652日 193日 29.60%
血液培養とは患者さんの血液から病原体を検出・培養する検査です。
菌血症・敗血症などの感染症の診断に用いられ、適切な治療方針の決定や感染源の特定に役立ちます。
確実に病原体を検出するために2か所から採血することが推奨されています。
当院の血液培養2セット実施率は、29.60%となっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
786名 548名 69.72%
広域抗菌薬(複数の菌に効果のある抗菌薬)を漫然と使用し続けると、菌が耐性を獲得して抗菌薬が効かなくなる場合があります。細菌培養検査によって菌を特定し、その菌に効果的な抗菌薬を選択することで、効果的な抗菌薬に切り替えていきます。
細菌培養実施率は、適切な抗菌薬使用の取り組みの指標となります。
当院の細菌培養実施率は、69.72%となっています。
更新履歴
2024.09.30
令和5年度 新小文字病院 病院指標更新