救急医療は医療の原点であると考えで、要請に対して断らないことを原則とし、24時間365日、重症軽症を問わず受け入れています。また迅速な対応こそが救急場面で求められることと考え、看護師、事務スタッフと密に連携を取り、事前に取り決めたプロトコールで迅速かつ安全に対応を始めるようにしております。

プレホスピタルケアとしては、北九州市消防派遣型ワークステーション方式の救急車の受け入れ（2017〜2019）、救命士病院実習、救命士再研修の受け入れなど、日常から救急隊との連携を図っています。また、当院の所属する池友会は民間ドクターヘリ、ホワイトバードを所有しており、その受入や北九州市消防局防災ヘリ、海上保安庁ヘリの受け入れも行っております。 救急搬入件数は年間8,000件程度であり、北九州東部の医療を支えています。時に海を超えて山口県下関市から搬送されてくることもあります。ほぼすべての救急要請を受け入れており、救急要請の応需率は約99％です。

救急の領域で1分1秒を争う病態として心肺停止、重症外傷、心筋梗塞と脳卒中などがあげられますが、当院ではそれぞれに対し迅速なアプローチを可能とする体制を構築しております。救急搬入口からCT室までは距離にして30秒、カテーテル室へは40秒、手術室へは2分、ICUへは1分30秒で到達できます。
また当院は門司区唯一の災害拠点病院であり複数のDMAT隊員を擁し、防災訓練、地域の災害医療にも参画しています。
当院は臨床研修病院でもあります。医師としての最初の2年間に救急医療の基礎を骨身に染みさせることはその後何科を専門としても意義のあることと考えております。当院では2年間を通じてずっと救急医療に携わるようにプログラムを組んでおり、オールマイティな医師の育成を目指しております。日々の勉強会、症例検討会はもちろんですが、グループ7病院合同での救急カンファレンスはすでに10年を超えて継続しております。2020年からは院内で救急蘇生コースICLSを随時行っております。