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脊髄脊椎外科(脊髄脊椎外科治療センター)

頚椎前方除圧固定術(けいついぜんぽうじょあつこていじゅつ)とは

手術方法

全身麻酔下に頚部の前をに約5cmの皮膚切開を行い、顕微鏡をみながら、頚椎椎間板ヘルニアや後縦靱帯骨化巣などの脊髄を圧迫している病変を摘出し脊髄や神経根の除圧を行います。そして椎間板もしくは椎体の摘出部に人工骨もしくは骨盤から一部骨を採取して移植、固定を行う方法です。手術時間は1~2時間程度で、麻酔時間を合わせて、手術場には3~4時間ほど入っています。この手術での出血は20cc以下で、輸血を行うことはありません。

必ず顕微鏡を見ながら手術を行います

移植骨の合併症をなくすために、前方からチタン製の金属の板をあてて、固定を強固なものにします。この金属は必要がないかぎり抜去しません。しかし、若年者や金属の挿入を希望しない方は従来の方法で手術します。

手術後治療

午前中の手術であれば夕方に、午後の手術であれば翌日にレントゲン写真を撮影してから歩行が許可されます。骨盤から骨を採取した場合や、多椎間の固定を行った場合は、手術翌日からの歩行するようにしています。シャワー浴は4日目から許可され、約1~2週目には退院が可能です。術後1ヶ月間は安静を心がけて下さい。事務的作業は1ヶ月後、軽作業は2ヶ月目、重労働は3ヶ月目から可能です。

手術合併症

①深部感染(糖尿病、肝硬変、腎不全、骨粗鬆症などでリスクが増加)、②脊髄・神経根損傷、③術後血腫、④インストルメント逸脱、⑤移植骨脱出、⑥麻酔に伴う合併症(肺炎など)、⑦嚥下障害、嗄声、⑧移植母床障害、⑨その他があります。手術中に脊髄損傷を起こし、永久的に麻痺が残った症例は1例もありません。この手術方法は非常に安全と考えています。

頚椎前方固定術後の再発

頚椎前方固定術の最大の利点は上肢を中心とした疼痛と麻痺の改善に有効なことが挙げられます。しかし、手術を行った椎間は悪化しませんが、それ以外の隣接椎間の再発には注意が必要です。固定を行ったことにより、他の関節に負担がかかって再発することがあります。術後の頚部の姿勢には注意を払いましょう。